解説員のひとりごと

平成29年5月「小さな芸術品」

「マグソコガネ、要る?」と先輩から渡されたのは体長5mmほどの小さく真っ黒な甲虫でした。種類を調べようと顕微鏡のレンズ越しに昆虫を覗くと、ずらっと溝が並んだツヤある翅が目に飛び込んできました。溝をよく見ると細かい点状のくぼみが綺麗に並び、とても繊細な模様を作っていました。どんな彫刻家でも、ここまで精工に彫ることはできないでしょう。
昆虫が秘めた小さな芸術品のような美しさに、しばらくの間見惚れてしまいました。
  
  
解説員 いまい りくと